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料理をめぐる妄想日記やエッセイ、絵本のようなフィクションまで、
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誰かの一皿に、そっと寄り添うような物語を。
妄想と空腹の世界に、いらっしゃいませ。

結婚4年目のロールキャベツラブレター
冷蔵庫には合いびき肉とキャベツ。なすやトマトもあったけど、優先順位的に今日はキャベツを使うべきだ。ホイコーロー、メンチカツ・・・いや今日は炒め物や揚げ物の気分ではない。とろっと柔らかいキャベツを味わいたい気分だ。
「ロールキャベツだな」
と献立はすんなり決定した。だが、頭の中ではまだ議論が続いている。
巻くか、巻かないか、だ。
キャベツの葉の間に肉だねを適当に重ねて煮込む、
それが巻かないロールキャベツだ。
巻かない時点で”ロール”ではないが、その呼び名でたくさんレシピが出てくるところを見ると、
「キャベツと合いびき肉の重ね煮」というよりも魅力的な響きがあるのだろう。
いや、今はそんなことはどうでもいい。
仕事終わりで疲れてるし、巻くのは手間がかかる、
時間も遅くなってしまったし、
巻かなくても十分美味しい。
巻かない方に気持ちが傾き始める。だけど、まだなんとなく決めきれない。
夫はロールキャベツが大好きだ、
食卓にロールキャベツが並ぶと分かりやすく目をキラキラさせて喜ぶ。
もちろん、巻いていないロールキャベツでも喜んでくれるだろうが、
巻かれたロールキャベツでしか得られない高揚感や特別感が少なからずあるのだろう。
毎回の夫のリアクションを見ると、そう感じざるを得ない。
巻かないロールキャベツのリアクションが☆3だとしたら、
巻いたロールキャベツは☆5だ。
そんなことを考えていると、視界の端に一冊の本が見えた。
筋トレ好きな夫の、トレーニングに関する本だった。
本棚に片付けようと拾った時、ふせんが挟まっていることに気づいた。
そのページを開くと、肩こりに効くマッサージの仕方が書かれていた。
「あれ?これって・・・」
昨夜、夫が急に「マッサージしてあげる」と言って肩を揉んでくれた。
その手つきは、まさにこの本の通りのやり方だった。
私が「気持ちいい、プロみたいだね」と言うと満足そうに笑ってた。
肩こりがひどくて片頭痛がすると言ってた私の言葉を覚えててくれたのか。
ーうん、やっぱり巻こう。
いそいそとキャベツを準備して1枚1枚はがし始める。
玉ねぎをみじん切りにして、合いびき肉をよくこねる。
レンジで柔らかくしたキャベツに薄力粉をふるい、肉だねを乗せて巻く。
トマトベースのスープに入れてコトコト煮込む。
手間も時間もかかるが、これでいい。
巻かないロールキャベツと巻いたロールキャベツ。
食べれば同じだと言うこともできるが、全く違うとも言える。
今日のごはんを見た時の、夫の☆5の笑顔が出れば、
それが私の今日の大正解だ。
巻いても巻かなくても『ロールキャベツ』レシピ

<材料>
- キャベツ(外側の大きい葉) 4枚
- 合いびき肉 200g
- 玉ねぎ 1/4個
- 塩、コショウ 少々
- 卵 1個
- パン粉 大さじ1
- 牛乳 大さじ2
~トマトスープ~
- にんにく 1片(みじん切り)
- トマト缶(ホールでもカットでもOK) 1/2缶
- 水 150㏄
- コンソメキューブ 1個
- ケチャップ 大さじ1
- ウスターソース 小さじ2
- 塩 少々
<作り方>
1.キャベツをよく洗い、ラップをかけレンジで3~4分加熱する。(やわらかくなればOK)少し置いて粗熱を取っておく。
2.玉ねぎをみじん切りにする。ボウルに合いびき肉、塩、コショウを入れて粘り気が出るまでよくこねる。玉ねぎ、卵、パン粉、牛乳を入れてさらによく混ぜる。少し冷蔵庫で置いておく。
3.鍋に油をひいて、にんにくのみじん切りを入れ弱火で香りだしする。香りが立ったら、トマト缶、水、コンソメ、ケチャップ、ウスターソース、塩を加え、沸騰したら火を消す。
4.キャベツの水気を切り、芯の部分を薄く削いで均一の厚さになるようにする。(削いだ芯はみじん切りにしてスープに入れたり、肉だねに混ぜましょう)
5.キャベツを並べ、うっすら薄力粉をふるう。冷やしていた肉だねを4等分にして俵型にして、キャベツの手前側に置く。両端のキャベツを中央に折り込みながら、手前から置くに向かって巻いていく。巻き終わりはパスタ麺や爪楊枝で留める。
※キャベツに薄力粉を振ることで肉だねが接着しやすくなり崩れにくくなります
6.3を再度加熱し、巻いたキャベツを入れる。蓋をして20分ほど弱火でコトコト煮込む。(途中で煮汁をキャベツにかけながら煮込む)
※トマト缶は煮込むことで旨味が凝縮して美味しくなります。水気が飛んでドロっとなりすぎたら水を足して調整してください
7.お好みでパセリやブラックペッパーをかけて完成!

お肉やトマトの旨味を吸ったとろとろキャベツが最高なんだよね~♪
少し手間だけど、余力がある日にぜひ作ってみてくださいね!

